4. ガニェの9教授事象①

学習プロセスを設計するガニェの9教授事象

 

勤め始めて数年も経つと、後輩を指導する立場になることも多くなり、社内教育・研修を担当するということもあるかもしれません。

「急に『先生になれ』なんて言われても、困るな。教育や心理学のことはさっぱりわからないし……。」

そんな方でも大丈夫! ビジネスの場でも使われている感覚を応用して、研修を企画しましょう。

 

研修のプロセスを組み立てるとはどういうことでしょうか?

教えたい内容をまとめるだけではなく、学習者が学んでいくプロセスを効果的に設計することまでが含まれます。

 

では、効果的なプロセスとは? 仕事でのプレゼンテーションを行う場面を思い浮かべてみましょう。

一方的に自分の情報を押し付けるような発表では、聞く人の耳に入りません。

プレゼンテーションの構成は、本論の前に、前提の提示によって聞く人の興味をそそり、聞く人の現状にプラスすると得られる未来を描くことから始まります。また、伝えた情報を忘れさせないために、本論の後に「まとめ」を入れるなどの配慮を行うでしょう。こういった道順は、学習の場合も同じです。

 

 

このような道順を、インストラクショナルの原理を考え出したロバート・ガニェという人物が、教えるための9つの働き掛けとしてまとめました。「ガニェの9教授事象」と呼ばれています。

 

この9事象を二回に分けてご紹介します。

 

【事象1】学習者の注意を喚起する

学習者に興味を持ってもらう、情報の受け入れ態勢を作る段階です。

新鮮さ、知的好奇心を刺激する事象を、オープニングに用意しましょう。

 

【事象2】授業目標を知らせる

重要事項への集中を生み出し、学習時間を漠然と過ごさせないようにする段階です。

何を学べばよいのか目標と、それを学んでゴールに到達したときに得られるベネフィットが感じられる事象を提示しましょう。

 

 

【事象3】前提条件を思い出させる

既に手にしている物事との関連をみつける段階です。

記憶をリフレッシュする事象を提示します。

前に習ったことは忘れていることが多いため、新しい学習がうまくいくように、基礎項目の復習を行うとよいでしょう。学習者が、これまで学んだことが無駄ではなく積み重ねで伸びていく実感が持てると、やる気を出してくれます。

 

【事象4】新しい事項を提示する

何を学ぶかを具体的に知らせる段階です。

「これから何を学ぶのか」を伝えるために、一般例から特殊例へ整理して事象を提示します。 情報は大から小へと流れるように整理しましょう。概念など一般的な情報だけでなく、身近で具体的な例やお手本を示します。また、図表やイラストなど視覚的な表現を使用すると、全体像と各部の把握がスムーズに進みます。

 

 

以上が「ガニェの9教授事象」のうち4つの紹介でした。

次回は、残る5つの事象をご紹介します。

 

 

 

 

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