3. 業務分析と受講者分析

どこからとりかかればいいの?インストラクショナルデザインのプロセス②

 

インストラクショナルデザインは、システム工学的アプローチによって行います。

このインストラクションの設計は、計画→実行→評価のサイクルから構成されており、最初の「計画」の段階は、分析→設計→開発の順に進めます。

 

<分析>

分析は主に3つのカテゴリーについて行います。

1.必要性分析、2.業務分析、3.受講者分析、です。

1.必要性分析については、こちらをご覧ください。

 

今回は、業務分析と受講者分析について解説いたします。

 

先に行った必要性分析では、どのようなニーズが出たでしょうか?

それらのニーズを満たすために、業務上、何が要求されるかを、ニーズごとに、「ナレッジ(情報)」「スキル」「価値観(バリュー)」といった観点で洗い出します。

 

 

例えば、新製品の発売にともなう営業体制を強化したい場面では、新製品に関する情報やその操作に関するいくつかのスキルが必要とされ、さらに販売姿勢を作り出すための「顧客の問題解決を優先する」等の価値観の共有が必要です。日ごろの業務を分析してみましょう。

 

また、研修が終わったときにどんな状態であることが必要か、レベルを把握することも必要です。

情報は、その存在を「認識」してもらうだけでよいでしょうか?(例えば発生頻度が稀な操作は、マニュアルが既に準備されていることを共通認識にするレベルでよいこともあります)

 

スキルは「知っている」状態から進んで実践練習(プラクティス)によって「使える」状態にする、また情報も「認識」から「理解」へと進める必要があるかもしれません。

 

さらに、ある水準で「出来る」ことまでを狙う場合、単なるスキル練習だけでなく、状況に応じた判断が各自でできるように、よりどころとなる価値観を共有することが実際の行動に役立つでしょう。

 

 

それら業務上の要求を、「どうして研修が必要となったのか」にしっかりと結びつけて、整理しておきます。

 

次に、受講者の分析について、ご説明します。

 

ビジネスの場と同じく、e-ラーニングでも受講者の分析は重要です。
カスタマーやユーザの分析で、「ペルソナ」設定や「プロファイリング」分析を行っているのなら、それを受講者分析にも活用しましょう。

こういった手法に慣れていなければ、次の点を洗い出すとよいでしょう。

 

1、受講者の前提条件と受講資格

受講者の前提条件とは、必要性分析や業務分析によって、参加対象を誰にするのかということです。現時点で、経験・知識・権限をどの程度持つ人たちなのか、具体的に受講者像を掴めるように分析しましょう。

受講資格とは、対象者を集めるために、どのような条件を設定すればよいのかということです。参加してほしい対象者を「絞り込むこと」と「漏らさないこと」の両方を叶える項目を条件としましょう。

 

これらは、教材の構成にも大きく関わるため途中で変更することが困難です。丁寧な分析を行う必要があるでしょう。

 

2、受講者数、期間、コスト

規模に関する見積を行いましょう。

受講者数や期間は、e-ラーニングではコストに与えるインパクトは比較的少ないのですが、教材設計には関わりがある項目です。初期に分析を行う必要があります。

 

計画のための「分析」の主な項目は以上です。計画→実行→評価というインストラクショナルデザインの工程を進めるために「分析」をする、という目的を見失わないことが、教育においても重要です。

 

次回は、設計に関してご説明いたします。

 

 

 

 

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